A history of my life

15:00 Thu 16 June
東広島市 祖母の家から

僕は小さい頃良くおじいちゃんとおばあちゃんに色々な所へ連れて行ってもらっていた。
なぜだかは覚えてはいないけれど、両親よりも祖父母とどこかへ出かけた記憶が多い。

僕が大学生の頃、おじいちゃんは亡くなった。
その頃から一人にになってしまったおばあちゃんに会いに二週間に一回は実家に帰っている。というのも、僕はおばあちゃんが作るお昼ご飯が大好きなのだ。

特に好きなのは、天ぷら。
その日の午前中に採ったばかりの、たらの芽やしその葉が中でも大好き。おばちゃんが作るてんぷらは基本的に天つゆを付けなくてもおいしい。
というのも、始めから衣に味がついていて、そのまま食べるか、つけたとしても岩塩をぱらっとするくらいでいいのだ。
おばあちゃん曰く、これならお弁当にいれてもそのままおいしく食べれるでしょって。
そうそう、あと母が作るのと圧倒的に違うのがパリパリ感。そう、時間が経ってもサクッとしてて、これがまたいいんだ。
よく、「お母さんが作るのは揚げたてはいいんだけど、すぐにぺしゃっとなるでしょ」とおばあちゃんは言う。

そんなお昼ご飯が食べれなくなってしまった。
先月くらいから、入院しているのだ。
ガンが見つかったらしい。それも数カ所に。

先週手術が行われた。八時間に渡る手術は成功したけど、洗面器に約一杯分の臓器をおばあちゃんは失ってしまった。

僕が会った手術後のおばあちゃんは意外に元気だった。
でも、僕にお昼ご飯を作ってくれてた頃のおばあちゃんよりかは痩せてた。

それから一週間後、今日会ってきたおばちゃんは一週間前よりもかなり元気になってて、なんと手術後初めてシャワーも浴びたらしい。本当にビックリするくらい元気になっていた。

今日から病室の壁には今上げている写真を始め、おばあちゃんの帰りを待つ、縁側から見た景色や、水田や山の写真が貼られている。


早く元気になって、またお昼ご飯食べたいな。

今日の晩ご飯のお母さんの天ぷら、ぺしゃってしてたよ。